競馬用語辞典
競馬用語辞典
中央競馬 ちゅうおうけいば
中央競馬(ちゅうおうけいば、英語: national racing)とは、日本中央競馬会(JRA)が主催する競馬である。1954年9月25日に東京競馬場、京都競馬場において初めて開催された。
一般競走 いっぱんきょうそう
特別競走
以外のレース。平場戦ともいう。
「サラ系3歳(4歳)以上○○万円以下」「新馬」「未勝利」など。
オープン競走 おーぷんきょうそう
特に記載のない限り、すべての馬が出走できる競走をいう。オープン馬とは収得賞金の最高のグループに属する馬であり、オープン競走にはすべての馬が出走できるとはいっても、超A級の馬と未勝利馬が、競馬をしたのでは競馬は歴然としているので、下位条件の馬は出走できないよう条件づけられている場合が多い。
クラシックレース くらしっくれーす
桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞の総称。これらはいずれも古い伝統をもつ3歳馬だけのレースで、イギリスの体系にならって創設された。
グレード制 ぐれーどせい
各重賞競走の役割と重要性を広く認識してもらい、生産界の指標としての重賞競走の位置づけを明確にするため、昭和59年度より格付けされるようになった。「格」を表わす記号として「GRADE」の頭文字である「G」を使用して、GI、GII、GIIIの3グループに分類されている。GI は競走体系上もっとも重要な意義をもつ根幹競走、GII はGI に次ぐ主要な競走で、GIの勝ち馬も比較的容易に出走できる内容をもった競走である。GIII についてはGI、GII以外の競走である。また、障害競走の格付けはJ・GI、J・GII、J・GIIIとして表記される。なお、平成19年には日本のパートI 昇格に伴い、平地競走については、国際格付けを持つ競走をGI、GII、GIIIと表記し、それ以外の競走をJpnI、JpnII、JpnIIIと表記するようになった。
指定交流競走 していこうりゅうきょうそう
地方競馬や外国の競馬に所属している馬や騎手を招待して行なう競走。
収得賞金 しゅうとくしょうきん
しばしば本賞金と混同されることがあるが、収得賞金は競走馬の格付け(クラス分け)のために使われる賞金額のことを言う。競走馬の獲得した本賞金をもとに算出されるものであり、例えば中央競馬の競走のうち、新馬・未勝利競走に優勝すると400万円、500万円以下競走では500万円、1000万円以下競走では600万円、1600万円以下競走では900万円、オープン競走では本賞金の半額が、それぞれ収得賞金に加算される。また、重賞競走の2着馬についても、その本賞金の半額が収得賞金に加算される。中央競馬以外の競走における収得賞金算出のルールについては別に定められている。
重賞競走 じゅうしょうきょうそう
特別競走の中でも特に賞金が高額で、重要な意義をもったレース。賞金や歴史と伝統・競走内容等により格付けされている。
条件レース じょうけんれーす
条件のつけられているレースのことだが、ふつう、未勝利戦や特別レースはそう呼ばない。3歳(4歳)上500万下、3歳(4歳)上1000万下、3歳(4歳)上1600万下といったレースのことである。
ステークス すてーくす
本来のステークスは馬主どうしが賞金を拠出して、その賞金を取り合うレースのこと。現在、本賞金は全部主催者の日本中央競馬会が出しているので、登録料を付加賞として1着から3着まで7・2・1の割合で配分する形で残っている。最近は外国でも純粋のステークスは非常に少なくなっている。特別登録料のある競走は一応全部ステークスで、ほとんどの特別競走がステークス制をとっていると解釈してもよいであろう。なお地方競馬では特別でもステークス制は許されていない。
滞在競馬 たいざいけいば
レース当日以前に、あらかじめ当該競馬場に入厩してレースに臨むこと。距離的に美浦あるいは栗東のトレーニング・センターから当日の輸送が不可能なローカル競馬のほかは、輸送に弱くてレースで能力を出せない馬を、早めに入厩させて落ち着かせるために行う場合がある。
単枠指定 たんわくしてい
9頭立て以上のレースで、1頭あるいは数頭に、特に人気が集中しそうな時、その馬を単枠(1枠1頭)に指定する制度。これは、同枠馬が取り消した場合におこる問題の発生を極力防止するための一措置として競馬法のもとで関連規定を改正して実施しされたが現在は廃止されている。
定量 ていりょう
別定重量のうち、収得賞金に関係なく、馬の年齢または性別により、出走馬の全馬に一定の負担重量を定める方法。日本ダービーや有馬記念などもこの方法で行われる。
ハンデキャップ はんできゃっぷ
ハンデキャップ競走で各馬が負担する重量をいう。これは3人のハンデキャッパーが、各馬に等しく勝機を与えようと決定するもので、競走成績や最近の調子などを資料とし、馬の能力に応じ重量を増減させる。
馬齢 ばれい
馬の年齢のこと。従来、競馬で3歳や4歳などという馬の年齢はわが国では数え年で数えられていた。昔は生年月日があきらかでないのが多く歯のすり減りの状態によって判別されたが、現在は生年月日があきらかになっているので、その生まれ年によって数えられている。2001年度から、JRAが推進する国際化政策の一環として、馬齢表記を数え年から満年齢に変更した。これは、馬齢表記について諸外国で採用されている満年齢表記に統一するためのもので、生まれた年を0歳と数え、その馬が生まれた年の1月1日から年齢を起算する。
馬齢重量 ばれいじゅうりょう
負担重量を馬の年齢によって定める方法。2歳時と3歳時の、同一年齢の馬だけのレースに用いられる。
輓曳競馬 ばんえいけいば
重いそりを曳いて2つの山の障害のある走路を200メートル走る競走。地方競馬(北海道)のみで行なわれている。
平場 ひらば
一般条件戦など、特別競走以外のレースをいう。また一般競走ともいう。
分割レース ぶんかつれーす
出馬投票締め切りの結果、競走の取りやめがあった場合、他の1競走への申し込み馬を2つに分割して2競走行うことをいう。
平地競走 へいちきょうそう
障害レース以外の競走のこと。
別定重量 べっていじゅうりょう
基礎重量を定めて、これに過去の収得賞金額、勝利度数または特定の競走の勝利等によって加増する方法で、重賞競走、特別競走、条件競走などに用いられている。またダービーなどの競走においては、馬の年齢または性により、出走馬の全馬に一定の重量を定めており、別定重量のうち特に「定量」と呼んでいる。
本賞金 ほんしょうきん
競走馬がレースにおいて、1着から5着に入着した際に獲得する賞金のこと。
未出走 みしゅっそう
レースに出走したことがないこと。
未勝利 みしょうり
(1)出走して第1着になったことがなく、(2)重賞競走の第2着にもなったことのない馬をいう。 なお、未勝利競走には未出走馬も出走することができる。
メイクデビュー めいくでびゅー
2008年6月21日(土)以降に行われる「新馬競走」に、「メイクデビュー○○」(○○は場名)という愛称を設定。「新馬競走」という競馬特有の用語を、少しでも「わかりやすく」また「身近に感じられる」言葉に置き換えてメッセージを発信し、今まで以上に「新馬競走」を盛り上げることを目的としている。 ※「メイクデビュー○○」は、「They make their debut in ○○」の省略形を表す。
若手騎手競走 わかてきしゅきょうそう
「若手騎手競走」とは、騎手免許取得してから間もない若手の騎手がレースに騎乗する機会を増やすために導入された競走であり、この競走に騎乗できる騎手を「若手騎手」という。若手騎手は、騎手免許取得後7年未満の者で勝利度数が100回以下の騎手としている。この場合の勝利度数は、見習騎手の項に記載されているものと同様。ただし、騎乗予定騎手の事故等により騎手変更する場合は、他に騎乗できる若手騎手がいない場合に限り、若手騎手以外の騎手も騎乗できる。
新馬 しんば
未出走の2・3歳馬で、新馬戦の出走資格を持つ馬。戦前は初めて競走におろすものを新馬といった。
オープン馬 おーぷんば
現在の競走体系は競走馬が1勝するごとに収得賞金が増えてゆき、クラスが上がる仕組みになっている。オープン馬とは最高のクラスに所属する馬である。
勝ち馬 かちうま
基本的には1着馬のこと。ただし勝馬投票券からの勝ち馬とは複勝式を含めてその対象となるすべての馬のことも指す。つまり出走馬が7頭以下のときは2着馬まで、8頭以上のときは3着馬までが勝ち馬。
騎手 きしゅ
乗り役ともいう。戦前は調教師の門を叩いて修行し、騎手となっていったが、戦後は、調教師のもとで修行した者が一週間ほどの講習を2、3回受講したうえで騎手免許試験を受ける短期講習制度(昭和23年から)と、日本中央競馬会馬事公苑で募集する2年課程の講習を終了してから騎手免許試験を受ける長期講習制度(昭和25年から)に分かれていた。昭和57年馬事公苑白井分苑の地に競馬学校がつくられてからは、長期講習制度に一本化され養成期間は3年間となった。なお、騎手免許試験は受検資格の要件を満たせば誰でも受験することが可能。
地方競馬 ちほうけいば
地方競馬の歴史は戦前にさかのぼるが、よって立つ法律(競馬法=昭和23年制定)の公布以降、現在の開催形態が確立された。施行者は「都道府県及び指定市町村(特別区を含む)」であり、馬主と馬の登録および騎手の免許は「地方競馬全国協会」が行なう。平成22年12月現在の競馬開催場は次の19場。
北海道:帯広競馬場 札幌競馬場 門別競馬場
東北:盛岡競馬場 水沢競馬場
関東:浦和競馬場 船橋競馬場 大井競馬場 川崎競馬場
北陸・東海:金沢競馬場 笠松競馬場 名古屋競馬場 中京競馬場
近畿:園田競馬場 姫路競馬場
中国・四国:福山競馬場 高知競馬場
九州:佐賀競馬場 荒尾競馬場
競馬法 けいばほう
近代競馬は、1861年に横浜の相生町で居留外国人を中心として始められた。 1905年には、馬券黙許の措置が講ぜられたが、これに伴い競馬熱は異常に高まり、競馬会が乱立するにつれ、いろいろな弊害も目立ってきた。こうした情勢の中で、1908年10月1日に新刑法が施行され、馬券発売はこれに違反するとの議論がなされるにいたり、同年10月6日、政府は馬券の発売を禁止した。 その後、馬券発売禁止の下で、政府の補助金等により競馬はかろうじて存続したが、大戦後の赤字財政下、軍馬を中心とする馬匹改良の必要に迫られ、1923年にいたり競馬法(いわゆる旧競馬法)が施行され、馬券発売が復活した。しかしながら、クラブ(許可を受けた社団法人)による競馬の施行には種種の問題がつきまとい、全国的規模の競馬団体を創設し、ひとつの有機体として競馬の運営がなされることが強く望まれ、馬政調査会の答申を受け、1936年9月20日競馬法の一部を改正する法律が施行され、日本競馬会が設立されることとなった。 終戦後の競馬の施行方針に関するGHQの意向は、民間への完全開放もしくは国または地方公共団体による施行ということであり、この意向にそって、日本競馬会、馬匹組合連合会及び中央馬事会は解散をせざるを得なくなった。こうして1948年7月19日に地方競馬をもあわせて規定した新競馬法が施行され、国営競馬時代が始まった。日本競馬会が行なっていた競馬は国に引き継がれたのである。 しかしながら、国営競馬については一種の道義的問題、国が施行する競馬を同じ国が監督する不自然さ、さらには国家予算に拘束されるため運営の弾力性をかくこと等から民営移管論議が高まりを見せ、その当時検討されていた大規模な行政整理の動きと相まって、1954年9月16日、日本中央競馬会法の施行により、競馬法は改正され、日本中央競馬会が設立され、国営競馬を引き継ぐこととなった。 日本中央競馬会の初代理事長には安田伊佐衛門が就任した。
馬券 ばけん
勝馬投票券のことで、中央競馬では現在、9種類に分けられ、単勝式・複勝式・枠連・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単・WIN5(5重勝単勝式)がある。
勝馬投票券 かちうまとうひょうけん
「馬券」というのは俗称であり、「勝馬投票券」が正式名称である。ただし、明治時代には「馬券」という語が公用語であり、一般には「あな札」「賭け札」ともいわれていた。「勝馬投票券」というのは法律用語であるが、これは、大正12年の競馬法制定のさいに用いられ、そのまま現在にいたっている。 現在の中央競馬では9種類に分けられ、単勝式・複勝式・枠連・馬連・ワイド・馬単・3連複・3連単・WIN5(5重勝単勝式)がある。
オッズ おっず
勝馬投票券が的中した場合の概算払戻率のこと。中央競馬ではトータリゼータシステムのコンピューターに直結して、100円に対する倍率で掲示されている。
親子どんぶり おやこどんぶり
同じレースに同じ馬主、もしくは同じ厩舎の馬が2頭以上出走していて、レースの結果それらの馬で1、2着を独占した場合、○○(馬主、厩舎の名前)の親子どんぶり、という。
買い戻し かいもどし
返還金
入着馬 にゅうちゃくば
5着までに入線した、本賞金に関係のある馬のこと。
一点勝負 いってんしょうぶ
勝馬投票券を1レースに1点しか買わないこと。
一本かぶり いっぽんかぶり
ある馬の単勝、もしくはある組み合わせの式別の勝馬投票券が圧倒的な人気になること。
金曜日発売 きんようびはつばい
特定のGI レースについて、レースの前々日となる金曜日から発売を行うこと。 一部のウインズで、金曜日の14時~19時に行われる。 平成18年より発売レースが増え、GI レースと同じ週に行われる重賞レースも併せて発売されるようになった。
クイックピック くいっくぴっく
コンピュータに馬番号・組番号の選択を“おまかせ”する投票方法「JRAクイックピック投票」の略称。「場名・レース番号・式別・1点あたりの金額・購入点数」は指定する必要があるが、馬番号・枠番号についてはコンピュータがランダムに自動選択する。JRAでは、平成21年より「期間」「場所」を限定した発売を開始している。
控除率 こうじょりつ
勝馬投票券は、その売上額のうち約25%を引いた残り75%が払戻金として的中した人に配分される。この差し引かれる約25%を控除率という。控除率は、的中率が高ければ低くなり、的中率が低ければ高くなるため、「約25%の控除率」というのはこれらを平均したものとなる。控除されたうち10%が国庫に納付され、残りの15%がJRAの収入となって競走の賞金や運営などの費用に充てられる。
馬番 うまばん
出走馬1頭ずつにつけられた番号のこと。馬がつけるゼッケンは馬番号。連勝番号(枠番)とは異なる場合もあるので注意。
馬単 うまたん
正式名称は、馬番号二連勝単式勝馬投票法。1着と2着になる馬の馬番号を着順通りに的中させる投票法。JRAでは、昭和44年から発売を止めていたが、平成14年に再び導入された。
馬連 うまれん
正式名称は、普通馬番号二連勝複式勝馬投票法。1着と2着になる馬の馬番号の組合せを的中させる投票法。組合せとして当たっていれば良く、1着と2着の着順は問わない。JRAでは、平成3年より発売を開始。
単勝式 たんしょうしき
1着馬を当てる勝馬投票券で、古くは大正12年から発売されている最も歴史のあるものである。式別が増えた現在、発売シェアは小さいものであるが、競馬は1着を当てる単勝式が本筋であると考えるファンも少なくない。
複勝式 ふくしょうしき
出走頭数によってことなるが、1着から3着までの入着馬を勝馬とする勝馬投票法のこと。出走頭数が8頭以上の場合は3着まで、7頭以下では2着までに入着すれば的中となる。なお出走頭数が4頭以下の場合は複勝式は発売しない。単勝式同様、勝馬投票は馬番で指定する。
3連単 さんれんたん
正式名称は、馬番号三連勝単式勝馬投票法。1着、2着、3着となる馬の馬番号を着順通りに的中させる投票法。JRAでは、平成16年より後半4レース限定での発売を開始。また、平成20年より全レースでの発売を開始。
3連複 さんれんぷく
正式名称は、馬番号三連勝複式勝馬投票法。1着、2着、3着となる馬の馬番号の組合せを的中させる投票法。組合せとして当たっていれば良く、1着、2着、3着の着順は問わない。JRAでは、平成14年より発売を開始。
WIN5 ういんふぁいぶ
5つの対象レースの勝馬を予想する「5重勝単勝式勝馬投票法」の愛称。対象となるレースについては、当日開催しているすべての競馬場の「各競馬場メインレースのうち発走予定時刻の最も遅いレース」を「WIN5」最後の対象レースとし、そのレースから遡っての5レースとなる。的中者がいない場合及び最高払戻金を超える金額はキャリーオーバーとなるが、キャリーオーバーの有無に関わらず、最高払戻金は100円につき2億円。インターネット投票限定の発売方法で、平成23年に発売が開始された。
応援馬券 おうえんばけん
任意の1頭の単勝式・複勝式の馬券を、セットで同額購入できる馬券。「馬名」と「がんばれ」の文字が馬券に印字され、記念馬券的な意味合いが大きい。電話・インターネット投票では購入できず、現金投票のみでの発売。JRAでは、平成18年から発売を開始。応援馬券のように、単勝と複勝をセットで購入する馬券は、諸外国でも広く発売されている。